扇状地

小地形

扇状地山地から平地に移り変わる地点(遷移点)で見ることができます。傾斜のある山地から平坦な土地に変わり、河川の流速が弱まることで、運搬していた土砂が扇状に堆積して形成されるのです。扇状地には扇頂・扇央・扇端とそれぞれ呼ばれる地点があり、土地活用については以下のようにまとめることができます。

扇端は山間部(谷)から流れてきた河川があり水を得やすいですが、平坦な土地が狭く、農業を行うには不向きな場所です。しかし、山地と平地の遷移点であるため、山地と平地の品物が交易するために人々が集まり、谷口集落が形成された場所もあります。

扇央では水に乏しく、水田ではなく果樹園、昔では桑畑が広がりました。扇央部分では粒の粗い土砂が堆積しており、堆積物の間を水が通り抜けて地下へしみ込みます。このことを伏流とよんでいます。このように扇央では河川が伏流するため、地表面から水が消えて水無川が形成され、土地は広くあるものの放置されて雑技林になっている場所もあります。

扇端は地下に伏流していた水が湧水としてわき出る地点に位置します。水に困ることがないため、水田として利用されたり、生活がしやすい場所になるので扇端に民家が並ぶこともあります。(列村)

今では水道管があり、どの場所でも生活しやすくなっていますが、昔は水利や土地を考えて民家が立ち並ぶことが多く、地形に応じて特徴が見られました。

扇状地の一例)岩手県胆沢扇状地、滋賀県安曇川扇状地

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