地形図において河川を読み取ることは、問題を解くために欠かせません。
そこで今回は地形図における堤防、天井川、水無川の読み取り方を紹介します。
堤防
次の図中の赤枠で示されているように、
河川沿いにこのような地図記号があれば堤防と考えてください。
小さな線がいくつも伸びている方向に地面が低くなっていて、これは凹地を示す場合と同じ表示の仕方になっています。
この地図記号は土崖を示した地図記号であり、堤防だけに使用されるものではありません。
土崖は自然に崩れてできたり、人工的に作られた急斜面を表示しています。
そして土崖は小さな線がどちらに向かっているのかで、地形を判断することができます。
下の図にあるように小さな線が外側に向いている場合は、周囲より標高が高くなっている場所を示しています。(盛土部)
逆に小さな線が内側に向いている場合は、周囲より標高が低くなっている場所を示しています。(切取部)
小さい線の向きでどちらが高くなっているか判別することができます。
また、こうして人工的に手が加えられた場所には道路や鉄道が通ることもあります。
河川の河口や沿岸付近では次のような地図記号を見ることが、これは堤防ではありません。
河岸など斜面を保護するためにコンクリートなどで形成された擁壁を表しています。(塀だと思ってください。)
天井川
通常、河川は標高の低いところ(谷など)へ水が集まって流れますが、天井川とは川底が周囲の地面より高い場所を流れている川です。
例えば、土砂が多く流れる川に堤防を作ると川底に土砂が溜まります。洪水にならないようにさらに堤防を高くすることを繰り返すと、川底は周囲より高いところを流れる天井川になります。
天井川は地形図から判別することができます。通常、河川は周囲より低い場所、つまり谷を流れます。しかし、天井川は周囲より高い場所を流れるので等高線の凹みが逆になります。(尾根と同じ等高線の形になる)
また、道路や鉄道が河川の下を通っているときも天井川ではないかと考えてください。
水無川
名前の通り普段は水が流れていない川です。大雨が降るなど増水時だけ水が流れる川で、地図では点線で示されます。砂漠が広がる地域ではワジとよばれます。
水無川の周辺の点は砂れきを表しています。
以上のように河川沿いの地図記号には注意をして、地形図を読み取っていくことが重要になります。
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