3つに区分される新期造山帯・古期造山帯・安定陸塊について紹介します。
新期造山帯
中生代から新生代(現在)に至るまで活動する造山帯が新期造山帯であり、狭まる境界と分布がほとんど同じです。新期造山帯には、太平洋の周りを囲む環太平洋造山帯とアルプス山脈からヒマラヤ山脈まで連なるアルプス=ヒマラヤ造山帯があります。地殻変動の影響を受けて急峻な山脈が存在し、地震や火山活動が頻発します。

環太平洋造山帯の代表的な山脈など
千島列島、カムチャッカ半島、ロッキー山脈(北米)、メキシコ高原、アンデス山脈(南米)
アルプス=ヒマラヤ造山帯の代表的な山脈
ヒマラヤ山脈、エルブールズ山脈、カフカス山脈、アルプス山脈
古期造山帯
古生代に造山活動が活発だったものの、現在は風化によってなだらかな丘陵性の山になっています。標高2000m以下の山が多く、地震や火山はほぼありません。天山山脈など古期造山帯であってもプレートの衝突の影響を受け、標高が高い山脈もあるので注意してください。新期造山帯のように帯状に分布していませんので、各地域の古期造山帯の山脈名を覚えることが必要です。(大陸がまとまっていた時代では、現在の古期造山帯は帯状に分布していたと考えられています。) 古生代の時代は温暖湿潤な気候であり、シダ植物など大きな木々が繁栄したため、質の良い石炭が古期造山帯から産出されやすいです。

代表的な山脈
アパラチア山脈、グレートディバイディング山脈、ドラケンスバーグ山脈、スカンディナヴィア山脈、ウラル山脈
安定陸塊
安定陸塊は先カンブリア時代に造山活動が活発でしたが、長期間の侵食を受けて楯状地や卓状地とよばれる平坦な土地が現在では広がっています。地震や火山は古造山帯と同じくほとんどありません。

楯状地とは先カンブリア時代の古い岩盤が地表に露出している場所であり、地表面に凹凸がある平原が見られます。騎士が持つ盾を伏せた地形が多いので楯状地という名前になりました。長期間の侵食で土地が削られて出来上がった土地であり、その形成要因からみて準平原ともいいます。
卓状地とは楯状地だった場所が古生代以降に陸地が沈降して海に沈み、砂が堆積した後に再び土地が隆起することで形成された土地です。地層がテーブル(卓)のように堆積したので卓状地とよばれます。また、形成要因からみると構造平野ともいいます。
高校地理において楯状地と卓状地の区別を求められることはあまりないと思います。これらの安定陸塊では鉄鉱石が産出される地域が多くあります。
代表的な楯状地
バルト楯状地、カナダ楯状地
代表的な卓上地
東ヨーロッパ平原、中央シベリア高原

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