カルスト地形は石灰岩が溶けることで形成されます。そのため溶食がすすむと地表面にいくつもくぼみが出来上がります。
ちなみに石灰岩の溶食は、化学式で次のように示すことができます。
CaCO3(石灰岩の主成分)+CO2+H2O → Ca(HCO3)2
石灰岩の主成分である炭酸カルシウムが二酸化炭素を含んだ雨水と化学反応し、炭酸水素カルシウムとして水に溶け込んでいくということです。
小さな凹地をドリーネと呼び、ドリーネが結合して大きくなるとウバーレと名称が変わります。さらにウバーレが拡大し、巨大な溶食盆地となったものはポリエと呼ばれます。正確にどれくらいで名前が変わるかと決められているわけではありませんが、小さいものから順番にドリーネ→ウバーレ→ポリエと覚えましょう。
雨水が地下に浸透し、もし地中にも石灰岩が存在すれば、地中でも溶食がすすみ、鍾乳洞を形成することになります。
等高線のルールで紹介しましたが、カルスト地形のようなくぼみは、地形図で下記のように表します
カルスト地形が見られる場所としては山口県の秋吉台が有名で、他には福岡県の平尾台や埼玉県の秩父なども知られています。この付近では石灰岩を主原料とするセメント工業が発達しています。
海外では中国の華南にある桂林のタワーカルストやカルスト地形の語源となったスロベニアのカルスト地方は押さえましょう。雨が多く、植生が豊富な熱帯や亜熱帯の地域では石灰岩の溶食がすすみ、桂林のような巨大な塔状の山が見られます。
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